今月のコラム:尿による「がんリスク」検査

1 ヒトの細胞

   ヒトの身体は37兆個の細胞から形成されている。
  細胞には遺伝子DNAがあり、持ち込まれる栄養素
  「アミノ酸」をもとに遺伝子の片割れであるRNAに
  よりタンパク質が作られる。
  タンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせ、集合で
  あり、身体を形成する10万種類がある。
  例えば皮膚細胞を形成するコラーゲン、赤血球(細胞)
  内の酸素と結合するヘモグロビンなど。
  その他、骨の細胞、筋肉の細胞、色々な臓器の細胞など。
  また例えば胃の主細胞にある「消化酵素」もタンパク質で
  あり、食物が胃に到達すると細胞から排出され消化を促進する。
  タンパク質を構造タンパク質(前者)、機能タンパク質(後者)と
  分ける分類もある。
  ヒトの身体は構造、働きとも、高度に複雑に進化したものである。

2 RNAの種類
   RNAにはタンパク質を作る「タンパク質コードRNA」と、
  作成ではなく調整・制御役割の「タンパク質ノンコードRNA」がある。
  前者はメッセンジャーRNA、トランスファーRNA、リボソーマル
  RNAの3種類である。
   後者は、
     低分子制御RNA     ―  低分子干渉RNA(siRNA)
                 ―  マイクロRNA(miRNA)等
     長鎖ノンコーディングRNA                  等 
  であるが、研究は進んでいなかった。
  2000年、ラブカン氏、アンブロス氏がmiRNAを発見(2024年
  ノーベル賞受賞)。
  miRNAはタンパク質を作らず、これを調整・制御するもので、ヒトの
  場合、約1000種類以上ある(これ以前は線虫で発見していた)。

3 がん細胞とマイクロRNA(miRNA)
  正常細胞に対しがん細胞の場合、miRNAの発現パターンが
 (がん毎に)存在し、がんの有無の判別が可能(2022,国立がん研究
  センターら)。
  細胞外小胞体としてmiRNAを含むものが血中(ひいては尿)に存在し、
  調べれば判別ができる。

4 尿からのmiRNAパターンによる「がんリスク」検査miSignal
   尿を用い、がんリスク検査を行うものとして「マイシグナルスキャン」が
  ある。尿中のmiRNAを調べるものだ(他に尿を線虫で調べる検査法も
  ある)。
  10種類のがんリスクを調べる(食道、胃、肺、乳、膵臓、腎臓、大腸、
  膀胱、卵巣、前立腺の内、女性は前立腺を除く、男性は乳、卵巣を除く)。
   なお保険非適用のため費用は高い(7万円弱)。
  結果は4週後に判定される。
 (例えば掛かりつけ)医師と共有し評価されることが望ましいとされる。

以上

この記事へのコメント